FUMA

Contemporary Tokyo

BUNKYO ART

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大石雪野   木彫展

'狂疾の殊類'

 

2019.7.22 mon - 8.3 sat

日曜休  |  Closed on Sundays

11:30 - 19:00

フマコンテンポラリートーキョー|文京アートでは、大石雪野木彫展を開催いたします。2017年に弊廊で開催した個展、2018年アートフェア東京での個展で大変好評を頂きました作家の待望の新作展です。是非ご高覧賜りますようご案内申し上げます。

 

FUMA Contemporary Tokyo | BUNKYO ART is going to hold The Yukino Oishi Exhibition from mon July. 22 to sat Aug. 3, 2019.

 

 本展覧会では、中島敦著「山月記」と正岡子規著「犬」2つの変身譚をモチーフとして制作した木彫彫刻作品を発表いたします。

「山月記」は、尊大な羞恥心と臆病な自尊心により虎と変じてしまった主人公李徴の苦悩が表現された作品です。「犬」では、己の業により犬に転生してもなお罪を重ねてきた男が、改心するも定業から逃れることのできなかった運命が描かれています。主人公たちは、人と獣の精神の間で揺れ動き、姿をも人ならざるものに変えてしまいます。
 こういった変身譚は古くから世界中に存在しましたが、私はこうした類型にこそ人間の本性に迫る真実が含まれていると感じています。そこで、これらの物語から発想した作品を制作することで、人間の本質を表すことができないかと考えました。
「山月記」をモチーフとした「望月の虎」「月夜鳥と虎」「猛獣使」では、猛獣(尊大な自尊心)を飼い太らせ、虎となった李徴の、人間としての苦しみと、獣としての快楽を。「犬」をモチーフとした作品群「業報の犬」「長庚と犬」「定業の烏」では、罪によって暴かれる人間の本性と、獣となりつつも人の心を取り戻すさまと、それでもなお尽きぬ定業による苦しみを、それぞれ表現しようと彫刻しました。

 私は、人間というものを表すのに、人間の姿だけでは不足だと感じます。
胎児が母親の胎内で育つ過程で、様々な生物の形態をとるように我々の細胞には、生命の積み重ねてきた永い記憶が刻まれています。
かつて魚類として海を生き、爬虫類として日光に温められ、獣として野をかけた記憶が、私たちの身体そのものに宿り存在しています。人間もほかの生物と同様に、自然と交じり自然に生かされる一部である以上、どうしてそれらを無視することができるでしょう。

 世界中に残る変身譚は、こうした身体的記憶を本能的に感じ取っていた芸術家たちが必然的に産み出してきたのではないでしょうか。
人と、人ならざるものの境界が曖昧になり、墨の濃淡のように混ざり合うさまを、本展覧会で感じていただけましたら幸いです。

彫刻家 大石雪野

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